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「…………」
お昼休み、俺は一人公園のベンチに座って携帯を見つめていた。
アキラは学校に無事に辿りついただろうか?
遅刻したことで怒られたりしていないだろうか?
落ち込んでいないだろうか?
心配や。やけど……
「たーくん」
だーれだ、とでも言わんばかりに俺の後ろから現れた先輩に、溜息を吐く。
「ひっど。お前な、仮にも先輩に向かって、その態度はないだろ?」
「そうですね、すみません」
「いや、別に傷ついてないし、謝らなくていい」
「………そうですか」
「そうって、いうか、たーくん。何を真剣に携帯なんて見つめているんだよ?」
「電話って気軽にかけても迷惑にならないかなって」
「誰にかけるんだよ?」
「前に言った、今、同居している中学生」
「はぁ。まだ、一緒に住んでいるんだ。親御さん迎えにきたりしてないわけ? あ、そうか。迎えに来るような親御さんだったら、一緒に今もいれないな」
「そうなんですか?」
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