「アキラが、今まで通り一緒にいたいんやったら、そないするし。兄弟みたいになりたいんやったら、それでもええし。友達でもかまへんよ。俺は何でもかまへんから、やから、そんな思いつめた顔しんといて」

「ごめんなさい」

今にも泣き出しそうな顔をしてたーくんが言葉を口にするから、俺はすごく申し訳ない気持ちになる。俺がたーくんを悲しませるなら、俺なんて、この世界にいらないのに。

「ごめんなさい」

「謝らんといて。何の力にもなれへん俺の方が、ごめん」

「は?」

「情けないわ。無駄に歳だけとって、何もできへんとかな」

「そんなことない。たーくんは、何だってできている」

仕事も、家事も、私生活も、人間関係も。
俺なんかと違って、みんな立派で。

だから、だから、余計に怖くなる。
俺なんか、必要性が何処にもなくて。

お荷物でしかない、俺がたーくんの横に平然といるのが、どこか申し訳ない。

きっとたーくんの隣にはたーくんみたいに何でもできて、大人で立派な女の人が似合うんだろう。
そう思うとどうしたらいいのかわからない。一緒にいることが、終わるんじゃないかって不安になって、でも一緒にいたくて離れられなくて。



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