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生まれてきてごめんなさいとは言えなかった。
そうしたら、俺がここに居ることが悪いみたいで。
俺、いらない子、だから。
でも本当は必要としてほしかった。
ここにいてもいいんだよって言って欲しかった。
「俺、たーくんに何も出来ていない」
「アキラ?」
「たーくんは俺に一杯いっぱい優しくしてくれるのに」
「……そうかな?」
「え?」
「案外、俺はアキラに好かれたくて優しくしとるんかもしれんよ?」
「でも、たーくん……俺は、たーくんに何一つ返せてないし」
「そう、じゃあな、笑って。俺はただアキラに喜んで欲しくて、お節介しているだけやし。笑ってくれたら、それでええ。アキラのためになれたんやったら、それ以上のお返しなんてないわ」
「……たーくん」
涙腺が完全におかしくなった。
感情がぐわってこみ上げてきて、意味わからなくて、でも温かくて、ホッとして、泣き続けた。そんな俺を何一つ面倒臭がらないで構ってくれるたーくんの瞳の奥を見つめて思った。
俺は幸せ者だ。
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