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そう始まりは出来心やった。救われるって思った。
今まで、何かに対して強く心を惹かれたことなんてなかったから。
嬉しかったんやで。
アキラに出会えて。
「それに、最近使わなくなった、変な関西弁使ってしまうくらい、俺はアキラにたいして……。あ、俺、もう24歳だけど、アキラといると、なんだか、学生に戻れたような気がして、たりするんやで。おかしいよな」
「たーくん、日本語変」
居心地の悪そうな顔をして、アキラは俯いてしまった。
「ちゃうねん。ちゃうねん。俺はただ、ただ、な、気にしんでええよって言いたくて、その、あーもう、わけわからんくなったやんか!」
どうないしよお、と俺が頭を抱えると、
「………ごめん」
と、アキラは呟いた。
俺は謝ってもらう意味がわからなくて、また謝らなくていいんだよって伝えたくてすぐに言葉を探す。
でも、
「ありがとう」
そう言って、そっぽを向いてしまった君に、かける言葉なんて何一つ思い浮かばなかった。ただ俺の口からも「こちらこそ、ありがとう」と零れた。
俺が好きになったのが、君でよかった。
episode2(始まりは出来心)完結
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