『お父さん、今日、僕転んじゃって、ここ痛いの』

『……それくらい大丈夫だろう』

『う、うん…』

『誠一、お前はな、すぐに泣くから、弱いんだ』

『じゃあ、泣かなければ、強くなれるの?』

『ああ』

『じゃあ、泣かなければ、僕もお父さんみたいに立派なお医者さんになれる?』

『…………』

『なれないの?』

『悪い、俺はこれから仕事だ』

『お父さん』

『…………』

『…………』

『…………』

『痛いよ……』

でも、たいしたことないんだよね。
その時、俺は、たまらなく、不安だった。



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