体育館裏で、身体中が痛いと泣き出した、金髪の横に座って、俺は己の無力さを知った。
こういう時、どうしたらいいのか、わからない。
ずっと自分のことだけを考えて生きて行こうとしたせいだ。



*****

一時間目のチャイムが鳴ってしまった。
俺はこんなところで何をしているんだろうな。
真面目にするって決めていたのに、早速サボりかよ。
はぁ…
どうして、俺、それなのに、それでもいいと思うんだろう。
昨日初めて会ったばかりのこの金髪の横にいることの方が、何よりも大切なことだと思うんだろう。

「…お前、授業」

いつまでここにいるつもりだと金髪は言う。
俺は言葉に詰まった。

「なんでだよ、お前」

金髪は顔を伏せて言う。

「俺にも理由なんて、わからないんだ」

「わかんないのかよ」

「うん、わからない。わからないけど、氷流のことが心配なんだと思う」



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