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きっと俺は単に悲しかっただけなのだろう。
思い描く自分と、そこに立っている自分に相違があり過ぎて。
でも、そんな相違だらけの自分を「好き」だと言ってくれる人がいると思うと、少しだけ、ううん、とっても、安心した気持ちになる。
こんな俺でもいいんだね。
ありがとう。
ありがとう。
言葉じゃ伝えられないほど、幸せです。
「氷流、俺は、さ」
「何?」
「お前が好きだ」
「宮田?」
「好きなんだ。なんか、笑われるかもしれないけど、本気で。その、恋人にしたいと思っている」
「え?」
「思っているだけ。思っているだけ!」
「……俺、嬉しいんだけど…」
「氷流、その気になせるな」
「その気になって、くれて、いいよ?」
第四話「きっと俺は単に悲しかっただけなのだろう」 完結
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