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「ああ。あの、さ、それでさ、俺さ、宮田に言いたいことあって、それで、さっき教室から連れ出したんだった」

沈黙が落ち着かなくて、俺は慌てて話題をふる。

「今日のお昼休みさ、喧嘩みたいに俺、怒ってしまったけど、あれね、あれは…、ただね、宮田が言った、俺が辛い時は辛いと、痛い時は痛いと、同じことを考えて感じていたいみたいなこと、だけど、違うだろって思った。宮田は一緒に俺と、落ち込んだり、辛さを感じる必要はないよ。二人して同じこと、考えてしまったら、ほら、一人と変わらない。それに、元気な宮田が、俺と一緒に痛くもない身体を痛いと辛いと思うのはおかしい。宮田は宮田でいて。俺は、そんな君の笑顔が大好きなんだ。だから、お願い。宮田は」

ありのままで。
そう言おうとしたら、またギュッと抱きしめられた。

「宮田?」

「お前な、今、そんなこと言うなよ…」

「ごめん」

「いや、謝るなって。俺、嬉しいっていうか、愛おしいって言うか、なんか、嬉しくて、しかたないっていうか。そのさ、正直に俺も白状するとな、怒っていた。氷流に俺以外の友達ができるのはいいことなのに、どこかでそれを寂しいと思っている自分に腹が立っていたんだ。ごめんな」

「いいよ。俺も、宮田に友達できるとしたら…」

きっと、喜ばしいことなのに、気に食わないだろうから。
その気持ち、わかるような、気がするから。
だから、いいんだよって、俺は伝えた。



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