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言いたいことはたくさんあった。
思うことはたくさんあった。
でも、みんな、綺麗に溶けてしまった。

そっと俺は宮田の背中に手を回す。
すると宮田は急に俺から離れて、勢いよく、覆いかぶさってきた。



キスされた。



俺は回らなくなった頭で考える。
でも何がどうしてそうなったのか、わからなかった。

「……ごめん」

「え?」

急に謝った宮田に俺は首を傾げる。
どうして謝られたのかわからなかった。

「つい、勢いで…してしまって、ごめん」

「何を?」

「キス…を」

「え、あ、ああ、と気にしないでいいよ!」

事の重大性を俺はやっとここで理解した。



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