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放課後になると俺は宮田の腕を掴んで引っ張った。
ちゃんと話がしたかった。
でも、何も言わずに腕を引っ張ったのがよくなかったのかな。
宮田は少しぎこちなく、俯いた。

「おい、氷流、どうしたんだよ」

渡り廊下までくると、周りに人が見えなくなって、宮田は猫かぶりをやめてじっと俺を見つめた。
俺は急にどうしたらいいのかわからなくなった。

「……ごめん」

わからなくて、謝ってしまった。
俺の悪い癖だ。
人が怖くなると簡単にそう言ってしまう。
そう言えば、救われるとでも思っているのだろうか。

「ごめんじゃない。ごめんなんて、言われたくない」

「宮田?」

「氷流は何を考えているんだよ。俺は、軽い気持ちじゃない。氷流が氷流で有る以上は、嫌わないし、謝ってもらわなくていい。俺が、俺が好きで、お前につきまとっているんだ。だから、いいんだ!」

「………」

真剣な顔をした宮田に、俺は抱きしめられた。
いつもみたいに優しくじゃなくて、きつく。
ちょっと痛く。
でも、どうしたんだろう。俺。ドキドキしている。



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