家に帰ると、姉さんがいた。
俺は思わず「ねぇ?」と話しかけてしまった。
一人じゃ、もう、どうしたらいいのか、わからなくて。

「姉さん。姉さんは、怒る時ってどんな時?」

宮田はどうして怒っていたのだろう。
本人は怒っていないと言っていたけども、あれは怒っていた。
どう見たって、不機嫌だった。
俺のせい?
ちっともわからない。

「怒るって、そうね。思い通りにいかない時かなぁ」

携帯電話を机に置きながら、姉さんは答えてくれた。

「思い通りにいかない時って?」

「子どもみたいに、駄々っ子になる時よ」

「駄々っ子?」

宮田が駄々っ子になっているのは、想像つかない。

「そう、駄々っ子。本当はね、心の何処かで答えを知っているのに、それを認めず、棚に上げて、都合のいい解釈をしようとして、それで、気持ちの整理がつかない時よ」

「気持ちの整理がつかない時に、怒るの?」

「そうよ、現実を受けとめられなくて、怒るの」



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