第四話
=氷流side=
本当はずっと辛かったんだ。
誰にも、わかってもらえなくて。
もちろん、身体が痛いことや弱いことも、そうだけど、でも、一番辛かったのはそこじゃない。どんなに頑張っても人並みになれない俺に対して、飛んでくる言葉だった。
理解されないのだと知った。
そもそも病名のない体調不良なんて、俺自身が、堪え症のないだけなのかとも思った。でも、君は言ってくれた。言ってくれたね。
『お前が、自分が、痛いって思うなら、それは、たいしたことだ』
その言葉がどれほど嬉しかっただろう。
どれほど、救われただろう。
君にはまだ話していない。
伝えるのは少し、いや、かなり照れくさいから。
でも、いつか、言えたらいいな。
素直に痛いって思っても許されるのだと、思えたって。
ありがとうって。
そして、こんな俺のことを心配して、励ましてくれて、そばにいてくれて、本当にありがとうって。
いつか、伝えられたら……
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