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窮屈だと嘆いた世界が、広くなった気がした。
心臓の音がやけリアルに聞こえる気がした。

殻にこもったのは俺。
なのに、孤独だと思ったのも俺。
馬鹿なのは他でもない自分自身だ。
なのに、変、だったよな。

「氷流、お前が元気になったら、言いたいことあるんだ」

『今じゃ、駄目?』

「駄目じゃないけど、今は照れくさいから、後で」

『えー、気になるだろ?』

「だったら、辛くても、できる範囲で頑張って」

『……わかったよ』

ちょっと照れくさそうな声に俺は微笑んだ。
電話って、いいな。
どんな表情をして話しても、相手に見えないから。
いや、やっぱり電話じゃ駄目だわ。
今、氷流がどんな顔をしているのか、俺に見えないし。

だから、明日、学校で会ったら、いろいろと話そうと思った。
元気になったら、話すなんて言っておいて、やっぱり話さずにはいられなかった。

氷流に出会えて、俺、こんなに変われたんだよって。







第3話「馬鹿なのは他でもない自分自身」 完結



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