４
「……ですよね」
あたり前だと言ったらあたり前だし、普通、それは誰だって気がつくことのはずだった。
なのに俺は……
「そう。中学は義務教育だから、授業をさぼったって、大丈夫だった。でも、高校はそうじゃない。出席日数がないと、進級できない。それは本人にどんな理由があってもそうだ」
淡々と話す担任をぼんやりと俺は見つめていた。
気持ちがついてこない。
「だから、俺は宮田に頼んでみた。あいつは、ああ見えて寂しがり屋だし、とりあえずあいつのこと怖がらずに接してくれる人がいればいいと思った。友達ができたら、教室にだってこれるんじゃないかって思った。でも、そうじゃないんだな」
「…………」
「ヤダな。そんな顔で俺を見ないでくれよ。俺だって一人の人間なんだ。できることとできないことがあるし、してやれることと関わりきれないことがある。中途半端に手を出す方が、真佐を傷つける結果になるだろう」
「先生は、氷流と」
「親戚。それ以上でもそれ以下でもないよ」
「……そうですか」
「ま、俺はそうでもないのかな。あいつのこと本当の子どものように大切に思ってはいる」
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