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宮田の顔が真っ赤だった。
何かに焦っているようにわなわなと口を動かしている。
それを見たら、なんだかおかしくなった。

(俺ばかりが不安で、焦っていたわけじゃないんだ)

宮田だって、俺みたいな友達に、いろいろ不安になって、焦って。
こんなの不謹慎なのに嬉しい。
不安なのが焦るのがどんなに辛かったことか、俺は知っているはずなのに。

「さっきのは、忘れろ!」

よっぽど恥ずかしかったのか、宮田はそう言ってそっぽを向いた。
でも「やっぱり忘れなくていい」と続けた。
俺はというと「ありがとう」を繰り返した。
他に何を言ったらいいのかわからなかった。

でも、それを不安だなんて思わない。

自惚れかもしれないけど、確かに宮田は俺のこと思っていてくれている。
そう思うと怖くなかった。
こんな俺でもいいって言ってくれたのだから。
もう大丈夫。
帰ったら、姉さんにはお礼を言わないと。

「宮田、俺、宮田と友達になれて幸せ」

「そ、そうか。よかった……」

「何、照れてるの?」

「まぁ、そんなところ」









第二話「いつか日常に成り下がるだろうが」完結



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