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「氷流、俺の、話も聞いてくれるか?」

泣いてしまって、声が出なくて、俺は頷いた。

「俺さ、不安だった。正直、氷流と一緒にいたいって思って付きまとうように一緒にいるけど、氷流は、どう思っているのかなって」

「え?」

一緒にいたいって言葉に、また涙が溢れる。

「休みの日だって、本当は、ゆっくりしたかったかもしれないのに、映画とか付き合わせて大丈夫だったかなって思ったりして。でも、それを聞いたら、俺、すごく我儘な奴みたいだから、気がつかないふりして、何でもない顔して、でも怖くて、でも、一緒にいれて幸せで」

「俺、も、宮田と一緒にいたい」

たくさん言いたいことがあった。
でもそれしか言えない俺がいた。
なのに、宮田は、もう充分といった顔をして笑う。

「ありがとう」

「?」

「少しだけ、抱き締めさせて」

「え、ああ、うん」

断る理由もなく、俺は手に持っていた弁当を地面に置くと、ゆったりと両手を広げた。



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