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「宮田、昨日はありがとう」

「え?」

体育館裏でお昼ご飯を食べながら俺がそう言うと、宮田は不思議そうな顔をした。が、すぐに思い当たったように、笑う。

「ああ、映画? 俺の方こそ、ありがとう。また行こうな」

「約束してくれるのか?」

また行こうってことは、まだまだ俺と友達でいてくれるってこと。
一緒にいてくれるってこと。
それは嬉しいことで。


『いっそぶちまけて、しまえばいい。もしも、それで壊れるなら、それまでの関係だったと思えばいい』


ふと、昨日の夜、姉さんに言われたことを思い出した。
今なら、俺、勇気を出して言える気がする。

「実は、俺な、宮田……」

全部話してしまった。
宮田に嫌われたらどうしようとか、普通の友達の距離感がわからないとか、迷惑かけてしまっているだろうとか……
うっとおしいだろう話なのに、宮田は真剣な顔をしてじっと聞いてくれた。
それが嬉しくて、俺は泣いてしまった。

本当に、泣き虫な、俺。



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