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急にテンションが上がって、俺の方へと乗り出してくる姉さんに驚きながら、俺は数日前の出来事を全て話した。
「……三日でそこまで、惚れられたのね」
「え?」
惚れられたって何の話だろう。
俺はただ、宮田と仲良くなったいきさつを話して、今日、その宮田と初めて遊びに行くことを話しだけなのに。
「え、ああ、ごめん。こっちの話」
悪い、とニタつきながら、姉さんは言った。
「ていうか、ていうか、ていうか。真佐は彼のことどう思っているの?」
「え、宮田のこと…?」
「そうよ!」
「よく、わからないと、思っている」
「そうね、まだ、そんなに時間は立ってないものね」
そんなものだよ、と姉さんは微笑んだ。
そんなものなんだな、と俺も微笑んだ。
しばらくして、姉さんは朝ごはんの後片付けをすると「さぁて、小説でも書くかな」と椅子から立ち上がった。
俺はありきたりだけど「頑張って」と声をかけた。
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