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だから、今度こそと、俺は歯を食いしばった。
「真佐、似合わない顔してる」
朝、久しぶりにリビングで顔を合わせた、姉さんは面白そうに俺を見つめる。
俺ってそんなにも変な顔をしていただろうか?
「何か、いいことでもあったの?」
「え?」
「必死さが可愛いなって思って」
トーストをかじりながら、姉さんは淡々と言う。
「いいじゃん、せっかくの日曜日だし、私、今、スランプだし、話相手にくらいなってくれたって。ていうか、相談乗るよ?」
「相談って…」
別に俺、何も悩んでいないんだけどな。
四歳離れた男前な姉さんを前にして、困った。
すると姉さんはつまらないと椅子にもたれかかった。
「えー、なんかないの? 教室に行けずに、体育館裏で寝ていたら、なんかさ、起きた時に美形がとなりに座っていてさ、なんか知らないけど、その美形がやたら、構ってくるとか、心配してくれるとか。あ、できたら、黒髪ショートの学級委員か風紀委員希望」
「あ、そうだ、姉さん。俺、友達できた」
「え、まじ、男の?」
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