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氷流は悪い奴じゃないよって言ったら、クラスメイト達は口をそろえて、関わらない方がいいいと言った。
だから、俺は、氷流は悪い奴じゃないよって、繰り返した。
そうしたら、クラスメイト達も、関わらない方がいいと繰り返す。
意固地になった俺はしつこく氷流は悪い奴じゃないと言った。

『宮田は人がいいから、わからないかもしれないが、あいつは怖い奴だ』

『俺なんて話しかけただけで、昔睨まれた』

『急に叫び出して、机を殴ったり』

『薬飲んで、汗、流してたりして、怖いし』

クラスメイトの言うこと、嘘じゃないと思った。でも、みんな誤解しているんだと思った。俺が思うに、あいつはきっと身体の痛みのせいで……

『違うと思う、僕は……』

何回だって反論してやろうと思った。
だけど、決定的な言葉でさされた。



『お前はあいつを三日くらいしか、知らないから、言えるんだ』



返す言葉がなかった。
俺は、三日分の、氷流しか知らない。

それが、悔しかった。



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