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「やっぱり悪気はなかったんだよな」

お昼休み、弁当を持って体育館裏に行くと、氷流がいた。
俺は奴を見るなり言ってやる。

「悪気って?」

氷流は意味がわからないといった顔で俺を見上げた。
俺はそんな氷流の隣に断りもなく座りこむと、続ける。

「半目なのも、ダルそうなのも、氷流の体調の問題だろ」

「そうなのか? 考えたことない」

「具合のよさそうな時は、本当、可愛らしい顔しているからな」

「…………」

「…………」

「そ、そうか?」

「ああ」

「…………」

「…………」

「…………」

「…って、三日、三日しか、関わりのない俺が言うことじゃないよな。ああ、そうだ、全くもって……」



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