12
「やっぱり悪気はなかったんだよな」
お昼休み、弁当を持って体育館裏に行くと、氷流がいた。
俺は奴を見るなり言ってやる。
「悪気って?」
氷流は意味がわからないといった顔で俺を見上げた。
俺はそんな氷流の隣に断りもなく座りこむと、続ける。
「半目なのも、ダルそうなのも、氷流の体調の問題だろ」
「そうなのか? 考えたことない」
「具合のよさそうな時は、本当、可愛らしい顔しているからな」
「…………」
「…………」
「そ、そうか?」
「ああ」
「…………」
「…………」
「…………」
「…って、三日、三日しか、関わりのない俺が言うことじゃないよな。ああ、そうだ、全くもって……」
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