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「宮田、体調でも悪いのか?」

心配そうに氷流は俺のことを見つめる。
まっすぐに本当に心配そうに。

「だ、大丈夫。大丈夫だ」

大丈夫だけど、どうしたらいいのかわからない。
俺と氷流の組み合わせが面白いのか、いつの間にか、注目の的みたいになっているし。

「……そうか」

なら、いいんだと、氷流は笑うと歩き出してしまった。
俺は引きとめたい気持ちでいっぱいだったけども、こんなところで目立った行動はしたくなかった。
俺も、最低な、人間。

「おい、宮田、大丈夫か?」
「なんか、さっき、アレに絡まれていたんだろ!」
「昨日だって、二人して遅刻してきたし、大丈夫か?」

クラスメイトがざっと俺のところに押し寄せてきた。
どうやら、俺が氷流におどされているように見えたんだろう。

「そんなことないよ。氷流は悪い子じゃない」

猫かぶりをしながらでも、俺はあいつは怖い奴じゃないと伝えようとした。
でも伝わらなかった。

そりゃ、金髪だし、半目だし、ダルそうだし、見た目は本当に不良そのものだけど、俺はみんな誤解だと思っている。



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