覚悟はしていた。
でも、先生は遅刻した俺のことを怒らなかった。
氷流のことも、怒らなかった。
家に帰っても、俺の両親は知らないようだった。
助かった。でも、腑に落ちなかった。



*****

「先生、お話があります」

職員室に訪れると、俺は担任を前にした。

「あ、宮田。昨日は、氷流をよく教室までつれてこれたな」

「いえ、そんな…」

「俺お前ならつれてこられるんじゃないかなって思っていたんだ。本当によかったよ」

「あはは」

駄目だ、コイツ。俺の話しを聞きたくなさそうだ。さっきから、あからさまに話しを逸らそうとしている。
時間の無駄か。

「でも、僕、昨日、遅刻しちゃったし…」

「いいって。いいって。氷流を説得してくれていたんだろう。俺にはわかるよ。うん、わかる。だから、いいんだ。昨日の遅刻は、なかったことにしよう。誰も何も言わない。そうしたら、問題にならない」



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