そんな夢を見たのでした


「これは唯の夢ですか?」
「いいえ、正夢です」

あたしにとって鋭すぎたその夢は触れることすら叶わないので、

一つの海があった
一つの山があった
一つの空があった

一つの顔があった
「それは真実ですか?」
「さあ」
にたりと笑ってその口を縫いつけた
「―――!」
「さあ」

聞こえないフリをした
気付かないフリをした

小さな手が肩を掴んだ
振り向かされて目をつぶる
優しい感触がして、泣きじゃくった





 
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