イントロ 〜side.203〜
流司「お菓子くれなきゃいたずらしちゃうゾ!!」
稔 「……は???」
流司「ねぇねぇミノル、ハロウィンだよハロウィン!!」
稔 「……あー、そういやもうそんな時期か。……で?」
流司「だーかーらー!ハロウィンなんだってば!!」
稔 「いや、それは分かるけどよ。むしろ問題は……
なんでお前が犬の着ぐるみを着て、俺の部屋にいるのかってことだ!」
(頬を膨らませて不満げな表情の流司。全身にすっぽりと毛皮を被り、三角形の尖った耳を頭に付けている)
流司「もー、鈍チンだなーミノルは!ハロウィンと言えば仮装でしょ!ていうかコレ犬じゃなくてオオカミだから!!」
稔 「そこは割とどーでもいい」
流司「ヒドイ!!!」
稔 「……で、お前は一体何がしたいわけ?」
流司「見て分かんないかなー、ハロウィンだよ!?仮装して他人の家に侵入して、お菓子ふんだくるに決まってるじゃん!!!」
稔 「それただの泥棒な。捕まるからヤメロ」
流司「エッ、じゃあどうすればいいの!!??」
稔 「どうって、普通に近所回って、合言葉言えば良いんじゃねぇの?」
(流司、初めて思いついたかのように目を見開いて)
流司「なるほど!」
稔 「何で最初に思いつかねぇかなー……つか、ハロウィンで家訪ねるのは子供限定じゃ……」
流司「(スルー)近所ってことは、アパートの部屋を順番に回れば良いってこと!?」
稔 「聞けよ!……まぁ、ウチの場合はそうなんじゃねぇの」
流司「よーし、分かった!」
(不意に持っていた紙袋をゴソゴソとあさり出し、目当てのものを取り出すと稔に向かって差し出して)
流司「ハイ、これミノルの分の衣装!」
稔 「……あ?」
流司「これ着て一緒に回ろ!」
稔 「……ちょ、ちょっと待てリュージ!」
流司「それでは!突撃スイーツ強奪隊、しゅっぱーつ!!!!!」
稔 「何だその名前!?え、てか俺もやんの!?嘘だろォォォォ!!??」
▼ということで、皆のお部屋を回ることになりました。
最初の被害者→201号室 二宮東