MURMUR


2015.09.29追記

てことで先日、舞台を見てきました。
「武/士白/虎 も/の/のふ/白/き/虎」まずタイトルからしてカッコイイ。ホワイトタイガー。

物語の舞台は江戸時代、白/虎/隊の生き残り(主人公)が過去を回想するところから始まる。会/津/藩で藩士として育てられた子供たちが、「いずれ新/選/組を超える」と期待されて白/虎/隊を結成するが、戦いの中で次々命を落としていって……。

と、これだけ聞くとすげー悲しい話みたいだけど、いや実際悲しいんだけど、この舞台の趣旨はたぶんソコじゃなくて。
特に一幕は、のちに隊員となる子供たちの友情がメインに描かれてた。稽古や剣術大会の様子はテンポ良く進むんだけど、その中にそれぞれが抱く憧れや劣等感が滲んでて、まさに「青春群像劇」だった。役者も、殺陣だけじゃなく芝居にも全力投球してて、パワー溢れてて、若々しい―……とか言うと自分が老衰してるみたいで嫌だな。もうちょっと頑張れよ現役高校生。

そう言えば、ちょうど同い年くらいか。確かに大勢でワイワイやってる雰囲気とか、既視感あるもんな。
特に、隊員の一人が女の子と逢引してるのを皆で覗きに行くシーンは笑った。俺も同級生のちっさいの(圭太)と一緒に、幼馴染の拓哉が告られてんの覗き見たことあるんだ。後でバレて怒られんのも同じだった(笑)
そうやって笑ってる時は、皆ホントに普通の少年なんだよな。俺らと何も変わねぇ、ごくフツーの。そういう奴らが史実っていう現実の中で散っていったんだと思うと、それだけで純粋に悲しくなった。わざとらしく悲惨さを訴えるんじゃなく、日常を描くことで逆に伝わるモンもあるんだろうか。あるんだろう、きっと。

で、そのまま二幕は一気にシリアスムード。戊/辰戦/争の場面。

正直に言うと、二幕の90分間ずっと泣きっぱなしだった。
……ぶっちゃけ、人が死ぬシーンは全部泣くんだわ。クオリティがどうであれ泣く。だから、単純に泣く泣かないは舞台自体の評価とはあんまり関係ないと思ってんだけど……今回は90分間ずっと呑まれてたワケで。そうやって最後まで巻き込んじまうのも舞台の醍醐味っつーか。それはそれで成功って言えると思うんだよな。

あと、前評判も聞いてた尋常じゃない量の殺陣はマジで大迫力。土/方/歳/三が銃交えて残忍に戦ってんのがすげー好き。カキン!バァン!グシャアァァみたいな。伝わらねぇよなゴメン。
あと個人的に横/浜/流/星(戦隊でトッ/キ/ュウ/4/号やってた人)が最高に格好良かった。主人公が憧れてる完璧少年、みたいな役だったんだけど、本当に誰よりも凛としてて、俺の一コ上とか信じられない。でも本人の顔付きとか体付きはまだ幼さも残してるから、16,7歳の設定に見事にはまってんだよヤバいスゲーカッコイイ。

でさ。この作品は「憧れ」が一つのテーマらしい。
ここまで触れなかったけど、主人公は落ちこぼれで、皆が潔く(今は褒められることじゃねーけど)自害していく中でも一人生き残った。つまり見ようによっちゃ意気地なしだったわけだ。でも、憧憬の想いや向上心は誰よりも強くて。それで物語の最後に、ある人物の言葉によって、一番憧れていた相手にそのことを認められていたんだと知って。
ようやく仲間への負い目を振り払ったその姿が、とても印象的だった。話を聞いて涙を流して、立ち上がった時には顔付きが全然違ってる。前に進んだんだなって思うと同時に、こっちまで背中を押された気分になった。はー、まだ胸が熱いわ。


……書き終わって、あまりの長さに自分でも辟易してるけど、付き合ってくれてありがとう。
今回はこの辺で。チャオ。

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