四十八手
*椋鳥*

所謂シックスナインとは、四十八手で言えば、『二つ巴』のことである。
対してこの『椋鳥』は男女が逆になったシックスナインのことだ。

衣服を剥ぎ産まれたままの姿にした風華の脚を広げ、まだ濡れていない秘部に指を伸ばす。
ふう、と息を吹き掛けると、ぴくりと反応する。
感度は相変わらず良好だ。

「んっ、」

その直後、まだ勃ちあがっておらず、柔らかいままの喜助の半身に彼女の指が触れた。
小さなその手で擦られていると考えるだけで気持ちがいい。
直接見ていないせいか、より伝わる感覚が鋭くなり快感が高まっているように思う。

「ァ、っ、・・・いいよ。・・・風華は?」

「・・・んっ、もっと、して・・・ァん、」

言いづらそうにしながらも風華が腰を揺らす。言葉にするよりも明らかに快感を追っている。
指先を奥へ捩じ込むと、ふるりと体が震えた。

「ここ?」

「んぁ、っ、やっ、」

ぴくり、ぴくりと震える体の反応に気を良くして、つい、指先の動きを速める。赤く腫れ上がる肉芽を愛でるように撫でると、風華の声が一層高くなる。それは彼女が感じてくれている証で。

ーーーもっとだ。
ーーーもっと啼いてほしい。

そう思うのは、下らない独占欲によるものだろうか。

「『椋鳥が啄むように』、」

「ぁ、やっ、んんっ、な、に?・・・あっ、ん」

ーーーー椋鳥が啄むように。
まるで、小さな鳥があちこちを飛び回りつつ、啄むその様を準えた名前をつけられたその体位。
確かに、互いに局所を懸命に啄むように愛でる様子は、椋鳥のそれに近い。

指先に加えて、舌先でも彼女の秘部を愛でる。
途端にとろとろとした蜜が溢れる。

「嬉しい?」

「んっ、あぁ、なに、が?」

「だって、ここ、」

ーーー嬉しそうにしてるから。

逆さに見る蜜壷は、奥を覗き込むのが難しい。
その為、指先の締め付け具合で判断する他ない。
けれど、肉芽や入り口の収縮具合は眼で見て判断できる。
半分は視覚で、もう半分は想像で補う。

なかなか面白いものだ、と喜助は一人口角をあげて笑った。




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