星に願いを
「あー・・・疲れた」

「お疲れ様です。喜助さん、無理してませんか?」

「そんなつもりもないんだけどね」

「でも、先日は一月、次が二週間、その次が五日で、今回が三週間。本当に体壊しますよ?」

「うん、さすがに限界。ちゃんと休むよ」

「そうして下さい」

「んー、ありがと。じゃあお休み」

「・・・お休みなさい」

「・・・って、言いたいんだけど、袖を掴んでるこの可愛いらしい手はなぁに?」

「あ、いえ、なんでも、ないです」

「本当に?」

「はい、」

「ホントのホントに?」

「・・・平気、です」

「本当の本当の本当ーにいいんですね?」

「・・・あの、」

「うん?」

「もう、寝ちゃうのかな、って思って・・・」

「まあ、この三週間ぐらいまともに寝てないですしねぇ。それが?」

「・・・こうして、顔を合わせるのも三週間ぶりですよね、」

「そっスね。あのね?ボク、疲れてるんで手短にお願いしますよ」

「・・・あ、ごめんなさい・・・」

「ああ、もう冗談っスよ!ハイハイ、いい子だから泣かない泣かない」

「・・・っ、喜助さんっ!」

「そんな顔して言っても可愛いだけっスよ。それで?アナタはどうしてほしいの?」

「・・・・・・」

「おーい、答えてくれないとボクも分かんないよー?」

「少しでいいんです、少しでいいから、貴方と話がしたいの」

「それぐらい、いつでも言って下さい。もっと、アナタが思ってることをボクに教えて」

「今日は、一緒に寝てほしいです」

「勿論ですよ。但し、寝れるかどうかは知りませんよ?」

「ふふ」

「何笑ってるんスか?」

「願い事が叶ったから、嬉しくて」

「願い事?」

「はい、短冊に書いてみたんです」

「短冊?・・・ああ、七夕ですか」

「はい。喜助さん以外、皆書いて笹に吊るしたんですよ」

「ありゃ、ボクだけ除け者ですか」

「鉄裁さんが一声掛けてましたけど、気付いてなかったんですね」

「あー・・・、全然気付かなかったな」

「食事も忘れるぐらい没頭してましたものね」

「いやあ、つい、ね。ところで、なんて書いたんです?」

「私ですか?」

「ええ。さっき願いが叶ったって言ってたでしょ?」

「"愛しい人と、せめて今夜は一緒に居られますように"」




(そして、彼が今夜ぐらいは、ゆっくり休めますようにーーーー)






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