一輪の花束

「風華、」

「ぁあ、はっ、」

膝の上に乗せて、背後から胸を揉みしだく。
既に固くなった乳首を、指先で摘まんでは弾き、弾いては押し潰すようにして弄ってやる。
ねだるように押し返してくる感触がまた愉しい。

そそりたつ肉棒で下から突き上げるようにして、奥の奥まで突き立てる。熱く蕩けそうなほど、どろどろな状態にも関わらず、それでも彼女の肉壁は快感にうねり、自身をぎゅうぎゅうと締め付けてくる。

「うぁ、っ、風華、いいよ」

「はぁ、ぁん、ぁ」

早く中で弾けてしまいたい、と猛る欲望に従って、ずんずんと腰の動きを速めて、白い柔肉を堪能していた指先を下に滑らせる。
加速させた腰の動きはそのままに、繁みの奥の彼女自身の雫で濡れた芽を掻き出す。

「まって!やめ、ぁあっ!!やぁああっ」

「いいね、その声、ぞくぞくする」

項にちゅう、と強く吸い付いて痕を遺す。
腫れ上がる芽をこりこりと指先で擦るように摘まんでやると、高い声で啼き、背中を押し付けるように仰け反ってくる。

「は、ぁあ、いや、や、あああッッ!」

そこをさらに責め立ててやれば、びくん、と体を強張らせ、一拍おいて彼女の体が前に倒れかかる。
どうやら先に達してしまったらしい。

首を下げたため、長くうねる髪が背中から流れるようにして前に滑って落ちた。
以前かなり短くなってしまったが、また最近は伸ばしている。
風華が眠りについてから、よく彼女の髪に指を通しているからだろう。初めは寝入っていて気付いていなかったようだが、近頃は目覚めていて、それでも喜助の好きにさせてくれているらしい。

この風華という女性は逐一自身を喜ばせることばかりしてくれるから、困る。


「あ、ひゃ、まだ、まって」

「もう少し、付き合って、ね?」

「ぁんっ!」

まだ彼女の内側は絶頂の余韻で熱く収縮を繰り返しているが、それが収まるのを待つことなく、喜助は彼女のくびれに手をかけてその体を持ち上げる。
持ち上げられたことで、彼の楔が抜けかかる。
その抜け落ちる寸前のところまで持ち上げてから、下に下ろす。
抜き差しする度に彼女の中からどろりとした密が溢れて垂れ落ちる。
揺すり上げながら左肩にもう一つ痕をつける。
「はぁ、ね、風華」

「ん、はっ、なに?」

「一緒に、イッて?」

「ぁっ、でも、あぁん!」

「ここ、好きでしょ?」

奥のある一ヵ所を擦り上げながら、両乳首を摘まんでやる。そうすると、彼女の中がより一層きつく締まる。

「いやぁ、ああっ!」

「く、」

またきゅうきゅうときつく責め上げられて、今度は自身も耐えきれずに吐き出す。


寸でのところで外に出したものの、また敷布に飛ばしてしまった。
毎度のことだが、後始末を考えると途端に今までの熱が急速に冷めていって萎えてしまう。
たまには一晩中愛し合ってみたいのだが。

互いに肩で息をしながら、上の敷布を取り払って横に放る。
汚れたままの布にくるまるわけにもいかないので、いつの頃からか、最初から敷布が重ねて敷かれるようになった。
洗濯物を増やして申し訳ないかと思うが、かといっていつ居るのかも分からない自身の家で待っていろとも言い出せない。

せめて彼女の指先が荒れてしまわないようにと、軟膏を贈ったのはどれぐらい前だっただろうか。
渡したときに「これで、花嫁修行も頑張れます」だなんて、冗談めかして愛らしいことを言っていた彼女は、あれ以来ずっと愛用してくれているらしい。

らしい、というのは、非番の度に、夜一のところで、その花嫁修行とやらに精を出していて、実際に使用しているところを喜助自身は知らずにいるからだ。



軟膏だけを贈るのも味気無いと、菓子やら酒やら色んなものを手土産にしているが、一年に一度、恋仲になることになった、あの初めて風華を抱いた日だけは花を添えている。

何かを考えていたわけではないのだが、ふと赤い薔薇の花束が目についた。
彼女が紅姫を愛でているからかもしれない。
贈答用に仕立てあげられていた花束の中から、喜助は悩んで、結局一輪挿しを贈ったのだった。



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