07 きらきらとした黄色と謎


テツヤの話によると私は脳震盪を起こしていたそうだ。
女の子が一人で帰るのも危ないから、という理由で待っていてくれたそうだ。
紳士!!
鞄も持ってくれて、手を繋いで、引いてくれた。

「あれーっ!黒子っちじゃないッスか!」
金髪の長身のイケメンな男の子がいきなりガバッとテツヤに抱き付いた。
え。
「黄瀬くん、重いです。
離れてください」
テツヤがそう言うと渋々と言った感じで離れていった。
ばちり、と目があった。
「黒子っち、その子は誰ッスか?」
首を少し横に傾げる姿は少し可愛らしかった。
「あ、えと、#名字##名前#です…」
「幼馴染みです」
「黄瀬涼太ッス!
…へぇ、じゃあこの子があの…」
「行きますよ」
黄瀬くんが何か言いかけた途端テツヤが走り出した。
「ちょ、テツヤ?!」
「あまり遅いとおばさんが心配しますよ」
そう言われてしまえば何も言えなくなってしまった。
そーいえば、黄瀬涼太って有名なモデルさんの名前だったような…。
うーん。


        『きらきらとした黄色と謎』
家に帰ればお母さんに抱き着かれて、黄瀬くんが何かを言いかけていたことなんて、忘れてしまった。



prevnext