04 赤い紅い夕陽は君の色


空は赤色に染まっていた。
何時の間にか夕方になっていた。
おかしいな、さっきまでお昼だったのにな。
「テツヤ、」
小さな声で呼び掛ければ、振り向きはしないが、歩くスピードを落としてくれた。
足元に視線を落とせば影が長くなっていた。

「…テツヤ、ありがとう」
そう言えば少し手の力が強くなった気がする。
…赤司くんはなんて返事したんだろうか。
ドロリとした黒い感情を殺して、顔を上げて前を向いた。
テツヤの水色の髪に夕日が当たってキラキラと反射して輝いている。
背中、男の子にしては凄く細くて華奢だけど手はやっぱり私の手より大きかった。
昔は嫌がるテツヤの手を私が引っ張って歩いてたのになぁ、今じゃ立場逆転だ。

沈んでいく夕陽を見つめて、まるで赤い彼のようだなと思った私はなかなか重症らしい。


        『赤い紅い夕陽は君の色』
夕陽は嫌いじゃないの、
だって赤色だもの。
赤色は君の色、だから好き。




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