■ まだ雨は降ってた

サソリさん、サソリさん。
ああ、良かった反応してくれた。
え?何の用かって?
特にないですよ、ってああああ行かないで待ってくださいよう!
サソリさん!サソリさんってばー!
むぎゃっ!
急に立ち止まらないで下さいよぉ、顔ぶつけちゃったじゃないですかぁ!イテテ…。
何度も名前を呼ぶな?
そんなぁ、じゃあなんて呼べば…!?
アイテッ…ゴメンナサイ…。
…ねぇ、サソリさん。
私が死んだら笑って下さいね、笑って傀儡にしてください!
そしたら死んでもサソリさんの側に居られますし、何よりサソリさんのお役に立てますもん。
あはは、確かにサソリさん達に比べれば弱いですけど私も一応暁ですから!
…約束ですよーう。



なーんちゃって、実は私スパイでした!
…なぜ抵抗しないって?
死ぬのがこわくないのかって?
こわくないですよー、ぜんぜん。
寧ろ幸せです。
…そうだ、この前言った事、アレは嘘じゃないですよ、傀儡にして欲しいって話
ああ、雨がやみましたね
少しだけ眠くなってきました

サソリさん、サソリさん、好きでしたよ


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