■ 貴方と私の両片想い

友人が好いている同じクラスの彼はとても変人だ。
成績はいつも学年一位で、背が凄く高くて男の人にしてはとても綺麗な顔立ちをしている。
おは朝信者でいつもラッキーアイテムを持ち歩いていて、
いつも笑ってる明るい男の子、高尾くんといつも一緒にいて、なのだよ、が口癖の少し変わった男の子。

友達がキャーキャー言っているのを横目に見て、私はこっそり溜息を吐いた。
教室は少し息しづらく感じて、
具合が悪いから保健室で寝てくる、とだけ友達に告げ、教室を出た。

その時に彼とすれ違い、たまたま緑の瞳と一瞬目が合った。
が、一瞬だったので気のせいかも知れないと、その場を足早に歩き去った。
ドキドキ高鳴る胸に素知らぬふりをして。

「真ちゃん」
「…なんだ」
「お前顔真っ赤だぜ?」
「…うるさいのだよ」
              『貴方と私の両片想い』


今はまだあなたを見つめるだけで充分。


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