■ 霞む視界に光は差し込まず

「私、リリー・エバンズっていうの!
貴方のお名前は?」
「#名前#・スネイプ…」
「#名前#素敵な名前ね!」

リリー、ごめんね。

「ねぇ、#名前#…私達、友達でしょう…?」
「何を言っているの?
グリフィンドールとお友達?
…達の悪い冗談はやめて」
「#名前#…っ!」

泣かないで、リリー…。
もうすぐなんだ、もうすぐで終わるから、、
ごめんね。

「アバダゲタブラ!」
「………、」

あの方は私が裏切っていたのに気付いていた。
美しい顔と血のように赤い瞳が嫌悪という感情に支配されている帝王の杖先がゆっくりと私に向けられ、
緑色の閃光が胸を貫いた。
私を殺したって、もう遅い。
もうすぐダンブルドアが貴方を――――。
瞳をゆっくりと閉じた。
頬に暖かな物が流れ落ちていった。
薄れゆく意識のなかでリリーの悲鳴が聞こえた気がした。

さようなら、

        『霞む視界に光は差し込まず』

私なんかの為に泣かないで、リリー。


スネイプ成り代わり。

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