■ 強くて綺麗な君に一目惚れ

「ねぇ、待ちなよそこの黒曜生」
「はい?」
黒曜中の制服を着たまま、黒曜町の隣にある並盛町に散歩に来たら、兄に負けず劣らずの超イケメンに話し掛けられました。
彼は黒曜中とは違う真っ黒な学ランを着ていた。
何処の生徒だろうか?
「……咬み殺す」
え?
ヒュッ!
「おっと?!いきなり何をするんですか?!人の顔見て?!危ないですねっ!!」
「……六道骸じゃないの?」
「…あのもしかして、兄と間違えてませんか?」
「……兄?」
やっぱりね。あんの馬鹿兄覚えとけよ。
おっと、つい口調が荒くなってしまいました。
いけない、いけない。
「はい、六道骸は血の繋がった私の兄です」
「双子かい?」
「いえ、兄のひとつ下で14です、
それに、私の名前は六道#名前#ですので
次は間違わないで下さいね。」
「………性別は?」
「女ですけど?どうかしましたか?」
「「……………………。」」
…気まずい。
やっぱり、男用の制服を着てるからでしょうか?
だって兄が男用の方を着ろって煩かったんだもん。
「あの帰って良いですか?」
「...うん。またね、#名前#」
「は、はい…」
頭を撫でられました…。
笑いかけてもらっただけで胸がドキリと高鳴りました。
……病気、でしょうか?

あ、名前教えてもらっていませんでした。
馬鹿兄にでも、教えてもらいましょうか。
さぁ、早く帰らないと。
クローム達が待っていますしね。
そう思い、私は静かに歩き始めた。

『強くて綺麗な君に一目惚れ』

学ラン着たあの人はとても素敵だった。


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