8〜14

深く深く埋め込まれたナイフは僕の胸を貫いて、深く深く僕の心を貫いた彼女の顔が、ゆっくり見えなくなった。

目の前に立った貴方に、私達はただ憧れるしかなかった。無力な私達に輝いた貴方はただ道を示した。

崩れ落ちた塔はもう元に戻ることはない。塔に捕われた姫は一生出ることが出来ない岩山に埋もれ、助けに来た王子は何も出来ない無力な己にただ絶句する。

共に過ごした日々はいつまでも輝いていて、でも過ぎた日々はいつまでも思い出でしかないの

なぁあれって嘘だったのか?ずっと信じてた俺がバカだったのか、なぁんだ、そうか。

空の下で手作りのお弁当を食べて、風に吹かれる。こんな幸せを感じてほしくて、俺たちは生み出されたんだろう。

一つだけ願いが叶うなら、君を僕の影に閉じ込める。そうしたら絶対に離れることはないし、君は僕に、僕は君になるだろう?


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