- ナノ -

ぐちゃぐちゃ24
地平線から登る朝日に照らされながら、襤褸布を被った少年が道を一人歩いている。
素足を引き摺るようにして、頭を守るように襤褸布を両手で首元まで引き寄せながら進んでいた。
昨夜の暴風が残した枝や、どこかの家の茅葺(かやぶき)が地面に転がっている。
少年は遅々とした足取りで、たどり着いた林の中に足を踏み入れていく。鋭い葉が足の皮膚を薄く切り、血が滲む。
亀のような速度でたどり着いた小屋に、芋虫のように入った。倒れるように横になり、懐にある小さな膨らみを強く握りしめる。

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bkm