- ナノ -

花火の明かり6.5
「足がちょっと浮いてる! 可愛い〜!」
「直ぐに大きくなるんで」
「強がっちゃってかーわいい〜」
「いや、ほんと2メートルぐらいの巨漢になるんで、絶対」
「大きいわね。私、今のままの方がいいわ」
「むむむ」
「おいらだって小さくて可愛いだろがぁ……!」
「そういうところが可愛くないって言ってんの」

「むぐぐぐぐ、絶対、でっかくなって皆さん担げるぐらいになるんで!!」
「「「かわいい〜〜!」」」
(みんなツンデレ好きだな……というか本当に普通に恥ずかしくなってきたんだが)


バチッ!
(うおうわわわわわ目が合ってしまったやばい見つめ過ぎた咄嗟に逸らしけどバレたっていうかなんか足音がえっ近づいてきてああああああ)
「おい」
「ぅおはい!」
「……俺になんか用か」
「えっ」
「ずっとこっち見てたよな」
「み、見てました」
「何かあんのか」
「い、いやあの」
「……」
(やばいやばいやばいめっちゃくちゃ見つめられてるやばい左右で目の色違う綺麗駄目だキラキラしてる目が潰れそうあああああ待ってる待ってくれてる何か言わないと何か何か何か……!)
「しょ、その!」
「ああ」
「こ。個性が半焼半冷って、き、聞いて、す、すごいなって」
「……」
「お、俺、火しか出せないから……!」
「……火だけじゃ不満なのか」
「えっ、い、いや、そんなことはない、が」
「なら、別にすごかねぇ」
「あ、え」
「それだけかよ」
「えっ、えっ、あ、はい」

「行ってしまった……」
「ねぇ、火華君ってどうして轟君にだけあんなきょどってるの?」
「(きょど……)な、なんか緊張してしまって(しかし恋してるようには見えてないか、よかった……)」
「でも、轟君も火華君にはなんだか……」
「えっ!」
「あ、いや! なんとなく、雰囲気というか!」
「もしかして、俺にだけ……」
「あっ、違くて! そういうんじゃなくて!」
「俺にだけ、クール……!」
「あ、そういう解釈するんだ……」

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bkm