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花火の明かり4.5
雄英に行けるということになって、私は勉強しまくった。
なにせ私は今中学生にもなっていないひよっこだ。しかし幸いにも入学までには一年間ある。
基礎学力は高校レベルはあると判断されていたが、雄英はそれでは勿論足りない。入学試験もなし、飛び級。下手したらそんな待遇なのに着いていけずに落ちこぼれなんてこともあり得る。
私は早速教材を買い込みまくって家で勉強に励んだ。最強のヒーローになるのだから妥協はできない。やればできる、というのは逆を言えばやらなければいつまで経ってもできない――最強のヒーローになれないということだ。
また、並行して体づくり。そして個性の調整を始めた。家の中での使用を八木さんを説き伏せ認めさせ、ネットで太極拳やらボクシングやら、なんでもいいので役立ちそうなものをかたっぱしから頭に叩き込んだ。

八木さんは最初、手伝おうとしてくれていたが私が辞退した。
彼も彼の仕事で忙しいだろうし、教えてもらうのもいいが一人で色々試行錯誤もしてみたかった。それを伝えれば八木さんは惜しみながらも了解してくれた。
話はまた違うのだが、八木さんは最近時間に余裕ができた。仕事が忙しいことは変わらないようだが、しっかりと夜には帰ってくるようになった。だが、逆に朝は早いままだった。とはいっても、なんだか以前より輝いた顔をしているのでいいことがあったのだろう。

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bkm