- ナノ -

部下からのアタックが尋常じゃない@
「(緊張する……!)」

フレンは今、緊張の真っ只中にいた。今回姫を捜索するにあたって共に任務をする隊長があの名声高きシュヴァーン隊長なのだ。
昔から市民の英雄、誇りと尊ばれており、もちろんフレンも尊敬している人物である。しかしながら表舞台に立つことは少なく、主にアレクセイ団長の補佐として活動しているのだ。
そんな彼と共に任務が出来る。それは己の今までの任務の中でも名誉でありながらも、緊張する任務だった。

だったのだが。

「アレクセイ様!」
「こちらへ来るなッ! さっさと任務へ就け!」
「何を、就いてしまったらアレクセイ様に逢えないではないですか」
「近寄るな近付くな離れろ。それから公私を混同するな。団長と呼べ」
「はい。アレクセイ団長。団長からの命により、姫捜索の任に尽きます」
「さっさと行け。しばらく帰ってくるな」
「もう、照れ隠しなさらないでください」
「死ね。心臓がなくなってしまえ」

凄く、緊張が解けたのはいいが、胸の高鳴りが冷え切ったのはなぜだろうか。


アレクセイ(主)がこう言うのは信頼しているからです。

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bkm