- ナノ -

王の王の話3
ちょっと意味が分からなすぎて思考停止してしまった。え?なんだって?幻聴が聞こえた気がするのだが。

「吉利、もう一度言ってみろ」
「はっ……我が軍の大将を、兄様にと申しました」

………………えっ、これ幻聴じゃないの。
え、ん? ……んー……は?
いや……ダメでしょ。

「断る」
「っ、何故です! 兄様ほど上に立つに相応しい方はいらっしゃいません! 今ここで董卓を討てば、次の統治者は兄様となったも同然でございます!」

いやなんでそうなる!!??
吉利どうしたの!?もうなんか言動が曹操でもないよ!?誰!!??あっ、吉利か!
とりあえず身を乗り出して反論してくる吉利を落ち着かせる。はいどうどう。

「黙れ曹操」
「っ」

あっやべ、思わず家での感じで言ってしまった!ごめん私内弁慶なんだよ!! っていうか私もこの口調好きじゃないんだけど舐められたらいけないから!私好かれてないしさ!
途端黙り込んでしまった吉利に内心あたふたしつつ、どうにか口を開く。
えーっと、どうしよう、なんて断ろう。っていうかあれだよね、これって吉利がまだ私のことを兄として尊敬したりしてるからこんな馬鹿げたこと言ってるんだよね? 嘘でしょ自信もって吉利。お前は私なんかよりも何倍も優れた子だよ!

「戦はお前が合っている。私は血を流す場にいることは出来ん」
「しかし……!」
「くどいぞ、そのような時代遅れの場に私は合わんと言っている!」

やべぇ!思わず本音が!!!
だ、だって戦とか絶対嫌じゃん!!戦でものを解決しようとか原始時代ですよ!!しかも剣とか矢の時代でしょ!絶対嫌だよ!
現代でも戦争が耐えないのはまぁ置いておくとして。平和ボケした日本人ですかね。仕方がない。
せめて現代でいるだけ社長みたいなので担がれるのはいいとしても(良くないけど)、今は三国時代で大将なんてやったらいつ死ぬかも分からない。そんな危ない役目出来るか!
ってやば、これだと吉利はそういうのお似合いだよな(嘲笑)みたいな意味になってないか?
いや違うんだよ! 吉利じゃないと出来ないんだよこれは!

「お前ならばこの乱世を収めることが出来るだろう」

三国に分裂するけどそれはそれこれはこれだよね!


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bkm