- ナノ -

依存愛依存(BBB・スティーブン・クラウス成り代わり)
netaの設定とはまた違います




「クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス、クラウス」

呪怨かなー。
同じ言葉、しかも私の名前を繰り返すスティーブンに、ライブラの頼れる副官の姿は欠片も無い。私を掻き抱くように抱きしめてきて、情緒不安定なのが良く分かる声色と表情をしている。
対して私はベッドの上。怪我の為に包帯が至る所に巻かれている。まぁ簡単にいうと少し無茶をした。血界の眷属、しかもエルダー級がやってきたのだ。レオのお蔭で密封することが出来たが、それまでの過程でかなり大きな傷を負ってしまった。スティーブンがこうなるのが分かっていたので包帯を巻いたり“怪我をしている”と分かるような姿をしたくなかったのだが、他のメンバーに押し切られてライブラ本部の自室へ押し込まれてしまった。
そしてこれである。

「スティーブン。私はここにいる。無事だ」
「クラウス……でも、こんなに傷だらけで……無茶をしないでくれといつも言ってるのに……!」
「すまない。だが、君も怪我があるだろう。安静に――」
「君の傍から離れたくない」

ほらぁーみたことかぁーこうなるじゃーん、一日密着ルートじゃーん。
どうしてこうなってしまったのか。原作ではもっと理性的だったじゃん。依存的じゃなかったじゃん。
こんな中身の私は、外見は実はクラウス・V・ラインヘルツだったりする。
どうしたことかクラウスに転生してしまった私は紆余曲折あってライブラのリーダーとして活動している。
そして、副官は勿論スティーブンである。頼りになって、頭も回って、強い完璧な副官だ――と思われている。が、私にとってはメンヘラ気質な外見だけを繕った弱い人である。
昔からちょっとどっか危なげだなと思っていた。付き合いは長い。そして長い付き合いになると分かっていたからこそ、色々と戦闘面でも精神面でも補助しようとしてみたら、この様である。
方法間違えたどころじゃない。

「……スティーブン」
「嫌だ。僕を、拒否しないでくれ……」

もぅマヂ無理。リスカしょ・・・――ッハ、思わず前世のネタが思い浮かんでしまった。
リスカじゃなくてマリカしてください。
しかし、ここで拒否したら本当に自分を傷つけかねないほど焦燥した声をしている。
肩には濡れていく感覚――あーもーーーーー、いい大人なんだからさーーーー。

「……好きにするといい」

……ここで折れちゃう私も駄目なんだろうけど。
ほんと、どうしてこうなった。

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bkm