- ナノ -

ライブラのゴミ処理係(BBB・トリップ)
netaの血界戦線4のウォルターさん姿でトリップ



「なるほど、湯を入れてからですか」
「はい。私はこうしております」
「勉強になります」
「いいえ。ウォルターさんも流石です」

ギルベルトさんの解説を聞きながら紅茶の入れ方を学ぶ。
この身体になってから――HELLSINGのウォルター・C(クム)・ドルネーズの全盛期の姿になってから――数か月が経過した。目を覚ましたら身体も違い、世界も違い、目の前には漫画で見たことのある堕落王がいたのだから、驚いたのが懐かしい。執事になれとのたまう堕落王を鋼線で雁字搦めにしてHLへ降り立ち、そこでライブラと出会ったのだ。やはりこれも懐かしい。
今では、この世界にもHELLSINGの漫画はあったらしく、そのウォルターとは別人だと理解されつつ(当初は面倒だった)このライブラで執事として雇ってもらっている。

「ウォルター、すまない。出られるだろうか」
「……おや。今、丁度ギルベルトさんに学んでいる最中だったのですが」

クラウス様が出動要請をされた。ということはまた飽きもせずHLで暴動やら事件やら世界の危機が起こったのだろう。
まったく、こうして同じ執事であるギルベルトさんと会話をするのがここ最近の楽しみだというのに、こうして毎度の事中断を余儀なくされる。

「承りました。クラウス様。何処のゴミを処理すればよろしいでしょうか」
「ああ、31番街で出現した異界生物なのだが、40メートルほどの巨体だそうだ。行けるだろうか」
「ええ。ご心配ありがとうございます」

ニコリと笑って鋼線を出していく。さっさと細切れにしてギルベルトさんの講義の続きを聞きましょう。
なんだかこの身体になってから、気に入らないことがあると直ぐに細切れにするとか、そういう物騒な考えが出るようになった気がする。それでも、その他の時はゆったりとしているのだから驚きだ。
今はとりあえず、己の仕事を遂行しましょう。

「ライブラゴミ処理係。参ります」

表情を抜け落とし、鋼線を指に絡める。
さぁ、ゴミはゴミ箱へ。世界の為に、ライブラの為に、私の為に。



後にクラウス様が、私の無表情を見ると怯えると聞いて、戦闘前でも笑みを絶やさないように努力しようと思った。
無理な気もしないでもなかったが。

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bkm