- ナノ -

23そのまま、意識が途切れるように眠りについた。


その後は乾杯をして、曹操に養子に入らないかと進められて、丁重に断ったり、孫堅さんが武器を取り出してきたり、商品は私という妙な魏と呉の模擬戦が始まりそうになったり、劉備に庇われたり、何故かその模擬戦に蜀が参加しかけたりと珍妙なことがあり随分と騒がしいクランクアップとなった。
宴会の時よりも騒がしかった日を超えて、深夜に回りそうな時間にようやく騒ぎは終息した。おかしい、始まったのは結構早かったはずなのに……。
学生寮までかえるのにも、あまりにも時間が遅いとのことで、近場のホテルに泊まることとなった。
ホテルに泊まる手続きをしつつ、当然のように同じホテルに泊まる予定の孫権に声をかけた。

「そういえば、明日は病院に行くから先に帰っててもいいよ」
「病院!? どこか悪いのか」
「いや、于文則さんにちゃんとした大きな病院行けって言われて。ホテルからの方が近いから」

于文則さんは帰り際に私に封筒を渡してきた。
何かと思い受け取ってみれば、そこにはお金が入っていた。驚き帰そうとすれば、帰すなら後で返せ。と言われて去ってしまった。おそらく病院にかかる代金だろうかと思うのだが、にしても多かった。
早く診てもらって返さないと心臓に悪い。
孫権はそうか、といった後に、私の方を見た。

「なら私も行く」
「どうしてそうなった」
「お前だけでは心配だからだ。最近、朝に弱いだろう」

それはその通りだった。夜に眠れないから、朝は起こされるまで寝てしまっている。それを起こしてくれるのは、確かに孫権だった。そういわれてしまえば、拒否もできない。

「わかった。じゃあ10時に頼んだ」
「ああ。しっかり起こしてやる」

ホテルの手続きも終えて、部屋の前でそれぞれ分かれる。
部屋に入ったとたんに、疲れが出たのか途端に眠くなった。
風呂に入ろうと思っていたのだが、それすらも億劫だった。
どうにかベッドまでたどり着いて、身を沈める。
そのまま、意識が途切れるように眠りについた。