― 何度でも ―
「……ま…待って……剣…しんっ…」
「……待たない」
きっかけを思い出そうとしても思い出せない。
否、思い出す程のきっかけなんて何時もない。
ふとした時に触れあった指先。
少しだけ距離を詰めたら耳まで赤くして伏し目がちになる。
艶やかな黒髪の間から覗く白いうなじ。
目が合うだけで桜色に染まる頬。
「剣心」そう、潤った紅い唇が紡いでくれる優しい声。
それだけで十分。
「だ…めっ………」
「薫…どの……」
僅かに残る理性と羞恥心から目一杯の抵抗の意を込めて絡めた指先をきつく握り返してくる。
泣かせたい訳じゃないけれど、背けた双眸には涙が滴る。
重なった肌は汗でしっとりと艶やかさを纏って。
力無く肩に添えられた掌は何時もより熱く、震えている。
声を殺す様に吐息も閉じ込めて、唇を噛む仕草。
「きれい……薫殿…」
「あっ…ん……けん…し……っ!」
「…ん?」
「ぃ…や……」
「もう、聞けぬよ……」
苦しくなる程に何もかもが愛しくて、目眩がする程に君に酔いしれて、君を形作る全てのものが欲しくて。
まずは、この細い首筋に紅い印を残す。
痕を残したその肌から染み込む様にこの思いが伝わって欲しい。
愛しいままに、愛でることの、しあわせ。
このしあわせも全部、君がくれたんだ。
緋凪 奏心
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・・・は、鼻血が////;;←
〜っもう、奏心さんが書く小説、本当に大好きです!(>///<)
素敵過ぎる・・・。。
直接的な表現はあまりないのに、なんでこんなに官能的な雰囲気が出るんでしょうか(●´ω`●)
尊敬いたしまする・・・!!///
こんな素敵小説をいただきまして、さやは本当に幸せものですv
奏心さん、この度は本当にありがとうございました!!
これからも、どうぞよろしくお願いいたします(*'▽'*)
さや
元になったイラストはこちら。