井戸の願い

昔、立花の領土のお祭りに行こうとした
一人の女がいました。

その女は、恋い焦がれる男と花火に行く予定でした。

しかし女はその日
花火大会に行くことは出来ませんでした。

その恋い焦がれる男に、
井戸に落とされたのです。

そのため、祭りの時期になると
井戸に男を誘い込み、
引きずり落とすという。

「ここに来る途中、町の人が口々に言っていました。」
淡々と話す元姫に対し、
二人は唖然とするばかりだった。


「うちの祭りにそんな噂が立っていたとは・・。」
「その霊が井戸に清正を突き落したとすれば大笑いだな。」

ギン千代は鼻で笑った。

しかし、宗茂の目は真剣だった。

「やっぱり心配だ!行くぞ!」

そういうと城とを飛び出し
馬でかけていった。

「あいつめ。」
「とても大事なのね、うらやましい。」

「いっそお前が落ちて、司馬師が助けに来れば面白いのにな。」

「そ、そんなこと・・・あ・・・あありえませんって。」

「ふっ、やっぱり面白い。」

「でも、」
「ん?」

「私も、胸騒ぎがするんです。」

一方清正は、

「そうか、そういうことだったのか。」
「はい。」
「・・・・・。」
女の霊と会話をしていた。
司馬師はずーっと黙っている。

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