★宗元疑惑★
邪魔って言われたことが引っかかる。
このまましょぼくれて帰ろうか・・・。
そう思いもした。
その男の存在を知るまでは。
清正
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
鐘会
「あの男!あんなにくっ付いてなんなんだ!」
清正
「お前がなんなんだ!」
残念な英才が桶に隠れて二人を見ていた。
どうやら、元姫が城から楽しそうに出ていくのを見かけ、
気になって追いかけてきたという。
鐘会
「おの女はあんな男のどこがいいんだ!」
清正
「悪かったな。」
鐘会
「なぜ貴様が怒る?」
清正
「・・・・なんとなく。」
鐘会
「手などつないだ瞬間、はらわたが煮えくり返りそうだったぞ。」
清正
「良く言うなストーカー」
鐘会
「・・・・・。」
清正
「なんだよ。」
鐘会
「そういうなら貴様もそうだろう。」
清正
「ん?」
清正、
気が付いたら鐘会と肩を並べて隠れている。
鐘会
「貴様も二人が気になるか。」
清正
「そ、そんなんじゃ!」
鐘会
「貴様らのオシドリぶりはこちらの耳にまで入っているからな。」
清正
「え・・・。」
どんだけばれてるんだよ!
鐘会
「ま、だからこそ貴様も気が気でないだろう。
自分の大事な者が人に取られているなんて、そうだろ?」
清正
「・・・・今は否定できない。」
何が一番悔しいって、
誰とどこに行くか言ってくれなかったこと。
「邪魔」って言われたこと。
邪魔って言われたのにその背中を追いかけてしまう自分。
嗚呼俺は何をしたいんだ!
鐘会
「二人が角を曲がった!追いかけるぞ。」
清正
「お!おう。」
あ、俺・・・追いかけちゃうんだ。
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