君がいないと胸が苦しい
無理、って自分で言っていて悔しくなった。だって年が違いすぎるもの。
いや、違いすぎるってほど違っているわけではない。精々5〜10の違いなのだ。これくらい全然OKなんて人もいるし、わたしだって愛があれば10歳でも20歳でも………。
でも松寿丸くんは本当にわたしがいいと思ってるの?
「松寿丸くん。そうゆうことをそんな簡単に言ってはいけないんだよ。大人をからかうのは…」
「からかってなどいない!我は葉子がいい。葉子でなければ、ならぬ…」
わたしに寄り添ってうなだれた松寿丸くん。何が彼をわたしに依存させるのだろう。そしてどうしてわたしは彼をほっとけないと思うのだろう。
「松寿丸くんはわたしが好きなの?」
恥ずかしながらそう聞けば彼は顔を真っ赤にして首を横に振った。
「ち、違うの?」
「貴様なら、大丈夫だ…そう、思えるのだ」
正座をしていたわたしの膝にごろんと松寿丸くんは頭をのせた。
「…葉子と我は結ばれぬことはわかっている」
だが、それでも我がそなたを縛り付けることでここから離れられぬようになると言うのであれば、我は何だってする。
松寿丸くんはわたしには背中を見せていたが、肩が震えているのが見えた。
どうしてこんなにわたしに依存するのだろう。