できることからコツコツと


あたし達はこの地球のために何ができるだろうと、考えて、やっと思いついた答えが暖房を切る。だった。

「莫迦者寒い」

「駄目だよ、元就くん。さっきのCMでも言ってたじゃない。地球が悲鳴を上げているって」

「黙れ寒い」

何よ、分からず屋!と唇を尖らせて他のことを考えた。
でも地球のためにあたし達ができることって案外沢山ある。使わない電化製品のコンセントは抜く、だったりスーパーではエコバックを持っていく、だったりあたし達の意識次第でエコ活動に協力できるのだ。

「元就くん、駄目だよ。そうやって元就くんはいつもティッシュの無駄遣いをして…」

「黙れ、貴様先程から何なのだ」

「だから、地球が悲鳴を上げてるんだよ」

そうなのだ。人間は勝手過ぎたのだ。

「あたしのやってることはほんとに小さなことだけれども、昔から塵も積もれば山となる、って言うように、続けていればいつか地球のためになるんだよ。」

「フン、知るか」

「全く、元就くんみたいな人がいるからこの地球は汚れていくんだよ」

「貴様我を愚弄するか」

「……はぁ」

だから、今あたし達はそんな規模の話をしている場合ではないのだ。あたし達がこうしている間も地球温暖化は進み、地球破壊は進んでいる。

「元就くん。スローガンは、できることから少しずつ、だよ」

「貴様が決めたのか」

「…さぁ、どうだろう。忘れたよ」

「いい加減だな」

「まぁ、そんなことはどうでもいいんだよ。さぁ元就くん、ストーブを切って」

さっきせっかく消したのにまたいつの間にか付けられているストーブ。全くこんな寒さにやられていては先が思いやられる、っての。

「ほら、あたしなんてこの上着脱いでも平気…………じゃないやっぱ流石に寒かった。けど、ストーブなくたって大丈夫だよ」

「我は大丈夫でない」

「要は気の保ちようだよ。」

「黙れ」

大切なのは、何事も地球規模で考えることだと思うんだよ。地球のためならエコバックを持って買い物に行ってもいい、とか地球のためなら寒さも我慢できる、とか。

「地球のため、っていい響きだね」

「……」

「地球のためならあたし何でもできそう」

「なら貴様息をするな。二酸化炭素の排出をするな」

「あ!そっか、その手があった」

「………」

「ってあたしに死ね、って言ってんの?」

「………」

「ねぇ、遠回しに死ねって言ってんの?死んで欲しいの?」

このやろう!と元就くんの肩をがくがくと揺さぶった。青い顔をした元就くんには、として手を離すと元就くんはあたしをぎろりと睨んだ。

「貴様が死ぬ前に我が死ぬわ」

「でもそれもきっと地球のためになるよ」

「死んでまで地球のためになどなってたまるか!」

「いてっ!」








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100128
エコに協力しよう、っていう話




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