一人で勝手に話を進めるけど、ついてきてね


前回までのあらすじ。元就氏はあたしの純情な乙女心をわかって下さらない。むしろあたしの話を聞いておられない。怒ったあたしは元就氏をひっぱたき、外に飛び出したのでした……




幸せも全部






なんてーでたらめ言ってみたりしましたごめんなさい。けどこの連載にもドラマチックな展開が必要だと思うわけなのですよ。ちなみにドラマチックってのは、エゲレス語なのです。また一歩あたしは国際的な女に近づきました。

「元就氏、そう言えばまだ最後の願いを叶えてなかったと思うのですが…」

「…………」

「…なんですか、元就氏…黙り込んで」

もしや無視ですか。いやいや元就氏は氷の仮面を被ったような人ですが、そんな、無視だなんて…みたいな感じの視線を送れば元就氏は煙たそうな顔をされた。

「…あ、でもその願いを叶えたらあたしは帰らなきゃならないのか…」

「……」

「…えーじゃあ、元就氏最後の願いはなるべく難しいやつでよろしく!…あの、叶えられなさそうで叶えられそうなやつ」

当初のあたしの目的は元就氏と友達になることで、あたしは今元就氏と友達である(ちゃんと元就氏もあたしのこと友達だと思ってるからね!)。
例えば友達になって、願いを三つ叶えたとします。そしたらばいばい、ってあたしは帰ることになる。ってそんなのおかしい気がするのですが…
だってせっかく友達になったのに、あたしが空に帰ってしまえば元就氏とは音信不通になって友達かどうかも呼べない存在になってしまう。
となれば、あたしがここに来た意味がない。かと言ってあたしが何度も地上に通うわけにもいかない。結局あたしはずっとここにいなければいけないのけ…?

「むしろ元就氏が婿養子になれば?」

「我がいつ婚約の話をしたというのだ。」

「……あ、婚約って手もあるかー!」

「…頭が悪すぎる…」

え、でもちょっと待ってよ!こ、婚約だなんてそんなっ!あ、あたし達まだ手を繋いだこともないし、そ、それに…お互い親に紹介も…

「あれ、ずっと前元就氏、あたしと結婚したいやら何やら言ってなかったっけ?」

「………」

「と、なればあとは婿養子、って手か、あたしがお嫁に行くってことしかないね」

だって婚約もしてないのにあたしが元就氏の部屋にずっといるのはよくないわ!あたしはそんなふしだらな女じゃないもの!

「でもそうなるとやっぱあたし達はこのままじゃ駄目なんだよ」


神様と人間、なんて駄目なのよ。
…だから二人は、結ばれない運命なのね…!!これぞまさにかぐや姫。………?いや違う。そうだ!ロミオとジュリエット!ちなみにこれは後の世に出回る悲恋の物語です。






「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -